【コラム】記憶と睡眠：脳が「昨日」と「明日」をつなぐメカニズム

導入：なぜ「記憶と睡眠」が重要なのか

「昨日覚えた英単語、朝起きたらすっかり忘れていた…」そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか？逆に、寝る前に勉強した内容が翌朝スッと頭に入っていたこともあるはずです。実は、こうした現象の裏には「睡眠」と「記憶」の深い関係があります。

現代社会では、勉強や仕事、SNSなどで脳が常にフル回転。そんな中で「睡眠」は単なる休息ではなく、脳の“整理整頓タイム”として重要な役割を果たしています。特に「記憶」に関しては、睡眠中に脳がどんな働きをしているのか、近年の研究で次々と明らかになってきました。

このコラムでは、学生でも分かりやすいように、最新の科学的知見を交えながら「記憶と睡眠」の関係を解説します。読み終えるころには、きっと今夜からの睡眠が楽しみになるはずです！

まず「記憶」とは何かを簡単に整理しましょう。記憶は大きく3つの段階に分かれます。

この中で「保持」を強くするのが睡眠です。睡眠中、脳は「海馬（かいば）」という部分で新しい情報を整理し、「大脳皮質」に長期保存します。これは、ジグソーパズルのピースをきれいに並べ替えるような作業です。

ポイント：

[覚える] → [睡眠中に整理] → [長期記憶として保存]

睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類があります。それぞれ記憶の整理に違う役割を持っています。

睡眠の種類	脳の状態	役割
ノンレム睡眠	深い眠り、脳が休息	記憶の整理・定着
レム睡眠	夢を見る、脳が活発	記憶の再構築・創造性UP

特にノンレム睡眠中、海馬がその日覚えた情報を再生し、大脳皮質に送り込むことが分かっています。これにより、短期記憶が長期記憶へと変換されるのです。

さらに最近の研究では、睡眠中に「未来の記憶」への準備も進んでいることが明らかになりました。つまり、昨日の出来事を整理しながら、明日の出来事に備える脳の“予習”も行われているのです。

「寝る前に勉強した方が覚えやすい」というのは本当です。なぜなら、寝る直前に覚えた情報は、まだ脳内でまとまっているため、睡眠中に効率よく整理されやすいからです。

たとえば英単語を覚える場合、寝る前に10分間集中して暗記し、そのまま眠ると、翌朝の定着率が格段にアップします。逆に、覚えてから何時間も起きていると、情報が散らばってしまい、脳が整理しにくくなります。

2025年の最新研究では、睡眠中に「過去の記憶の保存」と「未来の記憶への準備」が同時に進むことが明らかになりました。

脳は夜の間に「昨日の復習」と「明日の予習」を同時にこなす“超効率的な先生”のような存在です。睡眠をしっかり取ることで、脳は毎日アップデートされ、より良いパフォーマンスを発揮できるのです。

🌟「よく寝ること」は、最高の勉強法でもあります。今日から睡眠を味方につけて、記憶力をグンと伸ばしましょう！